読書日記 「火星の運河 江戸川乱歩のホラー読本」
「火星の運河 江戸川乱歩のホラー読本」(江戸川乱歩 編/東雅夫、角川ホラー文庫)
「乱歩地獄」関係で一冊編む、ったって、と思ってたら、(主に)評論・エッセイ集で来ましたか。
なるほど。
ざっといくと、第一部がその「乱歩地獄」関係作品、第二部が怪奇小説・怪談に関する乱歩自身の怖いもの紹介も交えたエッセイ、第三部が小説家や映画監督、怪奇テーマ等を中心にした評論・エッセイ、第四部が「怪談入門」を中心に広く怪奇小説の分類・紹介、ってな感じかな。
作品紹介の際には、結構しっかりと展開・落ちまで書いちゃってるんで、これからこの手のを読もう、とか既に考えてる人とかは注意。
うむ、流石乱歩、味読してるんだろうね。
年代的に最初の方と最後の方だと結構な年数があるのに、気に入った作品は、訳あって気に入ってるんで、揺るがない。
だから、機会は違えど、同じテーマを言及すると、概ね同じ作品が例示される。
お陰で、こういうのでまとめて読むと、同じような事を何回も書いてるのを何回も読む羽目になる(笑)
さりながら、「こうこうこういうテーマがあって、そのテーマといえば、まぁ、最初に浮かぶ傑作があって、これこれこういう筋で…」という勢いで熱く語られるから、同じような事を何回も書いてるのを何回も読んでも楽しい(笑)
そうそう、ひとつびっくりしたのが、彼の作品「目羅博士の不思議な犯罪」のインスパイヤ(笑)元が、エーベルスの「蜘蛛」だって言ってる事。
でも、流石にこれは、エルクマン=シャトリアン「見えない眼」と混同してるんだろうね。
ところで、このタイトルって、第三部冒頭と一致してて、ちょいと面白い。
編者解説にもあるけど、自分語りがすげぇ面白いのよ(笑)
ちょうどその例に出てる「人形」の冒頭部なんか、うっかりこういう小説なんかと思っちまったよ、マジで。
エッセイとかなのに滅法面白いってんだから参る。
しかも、怪奇者としちゃ、お陰で色々再読したい気分満々よ?(笑)
特に、予想外に(そうでもない?)高評価されてるげなサキとか、(前述のような按配で)やたらと何回も「オルラ」を例示されるモーパッサンとかさ。
M・R・ジェイムズは、乱歩的には、さほど高い評価じゃないのかな。
いやぁ、これそのものも読んで楽しいし、更に読書熱を煽られる、ってんだから、こりゃ凄いよ。
ご飯三杯はいける、どころか、五合飯いけちゃう勢いだね。
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