三題噺「小」「おもしろ」「キッズ」
目が覚めると、僕はベッドに縛りつけられていた。身体の上をなにかが跳ね回る。薄暗い中目を凝らすと、それは緑の小鬼だった。細い紐のようなロープのようなものの端を持っている。身体に力を入れてみた。指先すらピクリともしない。汗が吹き出るのを覚えた。
目が覚めると、いつもの部屋だった。
「スウィフトかよ……」
苦笑しながら、キッチンに行き、冷蔵庫を開ける。ガランとした庫内に開封したオレンジジュースの1リットル紙パックがひとつ。冷凍庫を開ける。乱雑に詰めてる中から適当にツモる。キッズミールの類。前の買い出しでろくに見もせず買った中のひとつ。キッズミールを電子レンジに入れて、オレンジジュースを口からそのまま二三口飲む。開けたままほったらかしになっていたオレオの袋から一枚抜いてモシャモシャと噛む。チンッ。電子レンジを開けると、そこには緑の小鬼が……
目が覚めると、緑の小鬼が顎のところにいた。手にはなにか鈍く輝くもの。黒い糸のついた縫い針。僕の身体のまだ動くところ、目、口……なにもおもしろくもないのに、ヒ、ヒヒッと変な笑いが漏れる。
目が覚めると、もう目は開かなかった。
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